医学専門用語の習得に最適!英語文献の読み方

こんにちは。

MRの方が日常、英語に触れる機会として、英語の文献を読むことがあるかと思います。今日は、文献の読み方と英語の勉強への生かし方について、ご紹介したいと思います。

文献のなかでも、MRの方は臨床系の論文を読むことが多いのではないかと思いますので、ここでは臨床研究論文を取り上げたいと思います。

 

臨床研究論文はどこから読む?

論文を読む際、皆さんはどこから読み始めますか?

「アブストラクト」という方が多いのではないでしょうか。

ご存知の通り、アブストラクトは論文の要約を意味し、PubMedなどのデータベース上で、無料で読むことができますね。

 

ところで、アブストラクトには掲載されるジャーナルによって文字数の制限があることをご存知でしょうか。

ジャーナルによって異なりますが、通常、250ワード以内に収めることとされています。これは、掲載する紙面の都合上、あまり長いとスペースを圧迫してしまうためです。

実は、この文字数制限が著者泣かせで、論文を執筆する先生方はしばしば要約を規定の文字数内に収めるのに苦労されています。

すなわち、アブストラクトは重要な情報を凝縮したものなのですが、文字数の制限があるために、高度に要約されている場合があり、初心者には読解が難しいことがあります。

 

私は現在、仕事上、論文の翻訳や要約作成を行っていますが、研究内容によってはアブストラクトを読んでも論文の全体像を把握できない場合があり、本文の該当部分を参照してはじめて正しく理解できる場合があります。

 

論文の構成と読むべきポイント

では、論文の本編のどの部分を読めばよいのでしょう?

そのために、まず論文の構成を知る必要があります。

 

臨床研究論文ですと、通常、序論(Introduction)、方法(Methods)、結果(Results)、考察(Discussion)の構成となっています。

 

それぞれのセクションでどのようなことが書かれているか、また、読むべきポイントをご紹介したいと思います。

 

まず「序論(Introduction)」では、対象となる研究分野の背景(これまでのエビデンス)と、今回の研究の目的が書かれています。

ここで重要なのが、最後の段落です。なぜならこの段落では、研究の目的が端的に書かれているからです。

 

例えばこんな感じです。

We conducted the present study to evaluate the safety and efficacy of Drug A in Japanese patients…

(日本人患者における薬剤Aの安全性と有効性を評価するため、本研究を実施した)

 

なので、まずはこの部分を読んで、論文に書かれている研究の目的を把握しましょう。

 

次に「方法(Methods)」です。このセクションでは、おもに以下の情報が述べられています。

・対象

・研究デザイン

・評価項目

・統計解析方法

 

MRの方は対象となる疾患領域について知識があるため、このセクションは比較的理解しやすいのではないかと思います。

ここで把握すべき情報は、「誰を対象に」「どのようなデザインで」「何を評価したか」ということです。

「対象」については、「Patients」や「Subjects」といったヘディングの段落に、Inclusion criteria (適格基準)として書かれています。

 

「研究デザイン」については、「Study design」や「Treatment」または「Intervention」といったヘディングの段落に、どの様に研究を行ったか(二重盲検試験などの試験デザインや投与方法、観察期間など)が書かれています。

 

「評価項目」については、Primary endpoint(主要評価項目)やSecondary endpoints(副次評価項目)、Safety endpoints(安全性評価項目)などといった用語を用いて説明されています。

 

これらの項目は通常、アブストラクトにも過不足なく書かれていますので、方法に関してはアブストラクトを参照すれば、概ね把握できるかと思います。

なお、統計解析(Statistical Analysis)の段落は、特別に統計解析の分野に興味がある場合を除いて、読まなくて大丈夫です(読むと混乱します)。この項目は、研究を検証・再現する場合のために書かれています。

 

次に「結果(Results)」です。

結果については、とにかく図表を参照しましょう。重要な結果(主要評価項目)については、必ずと言っていいほど、図表にして提示されています。

図表は、本文を読まなくても、それ自体で成り立つようにタイトルと説明がついています。

また、英語がわからなくても、図表を見れば、結果は一目瞭然です。

必要に応じて、補足的に、本文の引用箇所(Table 1, Figure 1などと書かれている部分)を参照すると、さらに理解が深まります。

 

最後に「考察(Discussion)」です。

このセクションでは、通常、最初の段落にその研究で得られた知見が要約されています。

 

たとえば、こんな感じです

In this study, we found that Drug A is more effective than Drug B in terms of lowing blood glucose level in Japanese patients with type 2 diabetes mellitus. No new safety concerns were noted.

(本研究では、日本人2型糖尿病患者における血糖値降下作用について、薬剤Bに比べて薬剤Aの方が有効であることが示された。あらたな安全性に対する懸念は認められなかった)

 

ですから、まず1段落目を読めば、その研究から何が得られたかが把握できます。この部分はとても重要ですので、必ず読むようにしましょう。

それ以降の段落では、おもに他の研究との比較や考察が続きます。

ドクターと文献内容についてディスカッションしたい場合は、このあたりを読み込んでいくと役立つでしょう。

 

ここまで、各セクションでの読むべきポイントをご紹介しました。

 

まとめ

序論 →最後の段落を読んで、研究の目的を把握する

方法 →対象、研究デザイン、評価項目を把握する

結果 →図表を参照し、主な結果を把握する(補足的に、本文の図表引用箇所を参照する)

考察 →最初の段落を読んで、研究から得られた知見を把握する

 

このように、本文のなかで必要な箇所を読んでから、アブストラクトに戻り、あらためて読んでみると格段に理解が深まると思います。

 

 

論文読解は英語力を鍛える

英語の論文というと、難解な文章や単語ばかりで、最初は辞書を引きながら読むことが苦痛に感じられるかもしれませんが、特定の疾患領域についての論文をいくつか読んでいくと、単語力も向上し、読むスピードも上がっていきます。

 

通常、論文は掲載前にネイティブや専門家の校正が入っていることが多いので、正確な英文が使われています。また、構成もパターン化しています。なので、小説などの文芸作品などに比べて、実は理解しやすいのです。

 

MRの方にとっては、仕事に役立って、英語の勉強にもなりますので、ぜひ継続してみてくださいね。