海外学会で使われる英語

こんにちは。

製薬会社の企画・マーケティング部門など本社勤務になると、学会関連の仕事に携わることがあるかと思います。

共同研究の発表やシンポジウム・セミナーの開催、学会速報のリリースに至るまで、さまざまな関連業務がありますね。

開催に至るまでの手順は、基本的に日本の学会と同様ですが、関連用語を英語ではどのように表現されるかを知っておくと、よりスムーズに進められるかと思います。

そこで、今回は海外学会の大まかな流れと関連する英語についてご紹介します。

 

学会投稿の手順

学会が開催される半年程前になると、各学会のホームページにて、募集要項が掲載されます。

学会での研究発表を希望する場合は、この募集要項に従って準備の上、応募(投稿)します。

おもに次の情報を確認しましょう。

●学会の開催日程を確認する

学会名で検索し、目的の学会のホームページを表示すると、次の会議の開催日時、場所が掲示されています。

例)

The 61st American Society of Hematology Annual Meeting will be held December 7-10, 2019, in Orlando, FL.

(第61回米国血液学会総会はフロリダ州オーランドにて、2019年12月7-10日に開催されます)

 

アブストラクトの募集要項を確認する

学会で研究結果を発表するためには、発表内容を要約したアブストラクトを投稿し、審査を受ける必要があります。募集要項は、ホームページ上で次のように書かれています。

例)

2019 Call for Abstracts

(2019年度アブストラクト募集要項)

 

通常、GuidelinesInstructionsとして、文字数や原稿の記載法など、詳しい規定が定められています。この規定に沿って、アブストラクト原稿を準備します。

 

●アブストラクトの投稿期限を確認する

アブストラクトはウェブ上の専用投稿サイトから投稿します。ホームページ上で投稿サイトが開設される期間が確認できます。

例)

Submission site opens: May 30, 2019

(投稿サイト開設日:2019年5月30日)

Submission deadline: August 3, 2019, 9:00 a.m. Pacific time

(投稿締切:2019年8月3日 午前9時 太平洋時間)

学会投稿の場合、締切厳守となっており、例外は認められません(この時間までに投稿を完了させないと、受け付けてもらえません)。

時間についても、どこの国の時間で何時というように、厳密に定められていますので、必ず期限を遵守して準備する必要があります。

 

学会発表の形式

通常、学会発表の形式は、Poster presentation(ポスター発表)またはOral presentation(口頭発表)のいずれかとなります。

大きな会場でステージに演者が立ち、スライドを使いながら発表する形式はOral presentationです。

一方、Poster presentationは、1枚のポスターに発表内容をまとめます。通常、Introduction(緒言)、Methods(方法)、Results(結果)、Conclusions(結論)の項目に分け、Figures and Tables (図表)なども配置して、わかりやすい要約の形式にします。

このポスターを専用会場に掲示して、会期中に訪れた聴衆の要望に応じて、研究内容を説明します。

発表形式をPosterとするかOralとするかは、応募の際に選択できますが、いずれも学会の審査を受け、受理(Accept)された研究のみ発表できます。

一般に、Oralの方が難易度が高い(受理される率が低い)といえます。

 

また、通常のアブストラクト募集が終わった後、Late-breaking submissionとして、最新の研究の投稿を受け付ける学会もあります。

こうした学会では、「Late-breaking Clinical Trials」といったセッションを設け、その分野の専門家がとくに注目する臨床研究が発表されます。

学会速報などでもこうした研究が取り上げられており、製薬会社の方の関心も高いところかと思います。

学会投稿後の流れ

期限までに投稿を済ませたら、あとは結果を待つのみです。

学会の専門家による審査(Review)を経て、数カ月以内に結果の連絡が来ます。

残念ながら不採択(Reject)となる場合もあります。

無事、受理(Accept)の連絡が来たら、Oral Presentationの場合は発表スライド、Poster presentationの場合はポスターの準備を進めます。

発表者(Presenting author)は学会に出席する必要がありますので、渡航に関連する宿泊・交通などの準備も進めます。

そして、晴れて学会当日を迎えます。

 

学会発表後の論文化

学会で発表した後、その研究をさらに正式にエビデンスとして発表するため、通常、論文化が行われます。

論文の執筆は、学会発表に比べて時間がかかるため、通常は半年から1年ほどかけてじっくりと取り組まれる先生方が多いようです。

まれに、学会での発表で画期的な研究であると認められた場合、出版社の方から論文化の声がかかることがあります。

先に述べた「Late-breaking Clinical Trials」セッションで発表された研究などは、お声がかかることも多いです。

この場合、もちろん審査(Review)は行われますが、できるだけ早く論文が掲載されるよう、出版社のほうでも取り計らってくれます(Fast-trackといって、通常より早く審査が行われます)。

研究が論文として発表されることは、先生方にとって大きな業績となります。

以上、学会発表の流れと関連英語について取り上げました。

学会発表や論文化などを通じて研究の普及に携われると、製薬会社の社員として、とてもやりがいを感じられるかと思います。もし学会に出席したり、学会関連の仕事をする機会があったら、ぜひ積極的に取り組んでくださいね。